整形外科

ご案内

診療科の特徴

当院の整形外科では医師4名で骨、関節、筋肉、神経など運動器の疾患の治療を行っていますが、主に骨折などの外傷や、脊椎や関節の変性疾患の手術治療を行っております。

①外傷について

骨折の治療は早期社会復帰、生活の質の改善を目指してできるだけ早く手術を行うようにしています。骨粗鬆症がベースにある方は、骨粗鬆症の治療も並行して行い、二次骨折予防にも努めております。術後のリハビリも当院に回復期病棟ができるので、これまではほかのリハビリ病院に転院してもらっていましたが、当院で自宅退院までリハビリを行うことも選択肢の一つとなります。


②慢性疾患について

投薬などの保存療法で症状の改善が得られず、手術した方がいいと思われる場合に手術を考慮します。

当院でよく行われている手術

脊椎

腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症や腰椎すべり症などで神経の圧迫があり、坐骨神経痛が強く、少ししか歩けなかったり、日常生活や仕事の支障が大きかったり、力が弱くなってしまっている場合、神経の圧迫をとるためにできるだけ内視鏡手術を行っています。その手術が無理な場合は固定術になる場合もあります。

関節

人工関節センターはやめましたが、中高齢者で変形性股関節症や変形性膝関節症で日常生活の支障が大きく、関節温存が困難な場合は人工股関節置換術(入院7-10日)や人工膝関節置換術(入院2週間)を行っています。

スタッフ

  • 吉田 晃

    よしだ あきら

    卒業年
    平成4年3月
    役 職
    整形外科主任部長
    専門分野
    脊椎
    学会認定資格
    日本整形外科学会認定 整形外科専門医
    日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
    日本脊椎脊髄病学会認定 脊椎脊髄外科指導医
    日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会認定 脊椎脊髄外科専門医
    その他
    医師臨床研修制度に係る臨床指導医
  • 香川 桂

    かがわ かつら

    卒業年
    平成15年
    役 職
    整形外科部長
    専門分野
    関節外科、外傷
    学会認定資格
    日本整形外科学会認定 整形外科専門医
    その他
    医師臨床研修制度に係る臨床指導医
    日本スポーツ協会公認スポーツドクター
  • 島野 隼

    しまの じゅん

    卒業年
    平成31年3月
    役 職
    整形外科医員
    専門分野
    整形外科一般
  • 布谷 信

    ぬのたに しん

    卒業年
    平成31年3月
    役 職
    整形外科医員
    専門分野
    整形外科一般

外来担当表

整形外科外来担当表

受付時間 分野
午前 初診8:30~10:30
再診8:30~11:30
1診 吉田 吉田 香川 吉田 吉田
2診 島野 香川 布谷 島野/布谷
※交代制
島野
3診 香川 布谷 島野 香川/島野
※交代制
布谷

手術について

脊椎疾患の手術療法

脊椎疾患について

当院では、脊椎の手術を年間170~180件ほど行っています。

主な手術は腰椎の内視鏡手術で年間130件ほど行っております。内視鏡手術は2cm弱の創で直径16mmの筒を入れ、その中にカメラを入れ、モニターを見ながら行う手術で、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などに対して行い、翌日よりあまりキズが痛くなく歩けるようにしています。調子が良く、特にリハビリが必要でない方は術後3-4日ぐらいで退院が可能です。

下の写真のように手術を行っています。

下の画像は腰椎の神経の通り道(脊柱管)が術前ものすごく狭くなっている状態を内視鏡手術で椎弓形成術(片方からの手術で進入側と反対側の両方の除圧を行う手術)で神経の通り道を大きく広げる手術をしたものです。

術前は矢印の部分に白い部分(神経の余裕)がまったくありませんが、術後は余裕が十分にあり、神経症状が改善しました。

また、背骨にネジを入れる固定術は年間30件ほど行っています。内視鏡手術で神経の圧迫を取り除くだけでは難しいと思われる脊柱管狭窄症や腰椎すべり症や腰椎変性側彎症などに行っています。
圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術も行いますが、骨粗鬆症が強いと隣接椎の骨折のリスクがあるので、あまり積極的にはしていません。
近年背骨がカチカチに固まってしまう強直性脊椎骨増殖症の方の骨折が増えてきており、手術をしないと痛みが長びき、神経障害のリスクも高いので、スクリューとロッドで固定する手術も増えてきています。
頚椎疾患に対しては、脊髄症状の強い方には椎弓形成術(脊髄の通り道を広げる手術)や、上肢の神経痛が強い方には椎間孔拡大術(頚椎の神経根を後方から顕微鏡下に除圧する手術)などを行っております。

人工股関節置換術

人工股関節置換術は、股関節の変形や破壊による疼痛が強い方、粉砕やずれが大きい股関節骨折を受傷された方に行われる手術です。

当科では前側方アプローチ小侵襲人工股関節置換術を行っています。この手術法の長所は、術後の回復が早くまた脱臼の可能性が低いということです。筋肉を切らずに筋肉の隙間から股関節に進入するため侵襲が少なく、当科では術翌日から離床・歩行リハビリを開始しています。小侵襲手術・早期離床を行うことで、下肢手術後の合併症で特に注意が必要な深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の発生を抑えることができます。

脱臼しにくい人工股関節にするためには、筋肉を切らない進入法を行うだけでなく、脱臼しない角度にインプラントを設置・挿入することが何より大切になります。当科では手術前にCTデータを利用したコンピューターによる3次元での術前計画を必ず立てます。レントゲンによる2次元の計画と異なり、患者さん一人ひとりの骨の形や捻れ具合が手術前に詳細にわかります。個々の患者さんに最も適した人工関節のサイズや種類を選択することが可能で、姿勢や骨盤の傾きに合わせてインプラントの予定設置角度を微調整することもできます。このように術前にあらかじめコンピューター上でシュミレーションすることで、日常生活動作で必要な股関節運動(しゃがみこむ、正座する、浴槽をまたぐなど)を行っても脱臼しにくいことを確認できます。このように入念な下準備を行っても、それを実際の手術で実現できなければ意味がありません。これまで以上により正確な角度でインプラントを設置できるように、当科ではポータブルナビゲーションの使用を導入しています。専用スマートフォン画面に実際の人工関節の設置角度が表示されるため、術前計画通りにインプラントを設置できているか手術中に確認することができます。

このように、筋肉損傷量の少ない手術法と正確なインプラント設置を行うことで、術後の回復を早めてかつ患者さんに安心して動いて頂けることが可能となります。おおよその方が術後5~7日で杖なし歩行や階段昇降が可能となり、術後10日以内に自宅へ退院されています。中には退院の翌日からお仕事に復帰される方もおられます。術後の禁止動作は特になく、軽いスポーツも許可しています。また、もともとの歩行機能の低下が著しく術後の回復に時間を要する方は、当院の回復期リハビリテーション病棟で入院を継続して、しっかりリハビリを積んでから自宅退院を目指すことも可能です。長年抱えてきた辛い痛みから解放され、より人生を楽しんで頂けるように、少しでもお手伝いができましたら幸いです。

  • 両変形性股関節症末期 術前レントゲン

  • 2D術前計画

  • 3D術前計画

  • 術後レントゲン

  • 手術風景

  • ポータブルナビゲーション
    (専用スマートフォン)画面

業績

2023年

医原性DISH関連脊椎骨折が疑われる1例(原著論文)

藤田 健太郎(済生会富山病院 整形外科)
骨折(0287-2285)46巻2号 Page571-575(2024.03)

術翌日追加カクテル注射を併用して1週毎に片側ずつ行うTKA 両側同日との比較(原著論文)

藤井 秀人(済生会富山病院 整形外科)、吉田 晃外舘 幸司藤田 健太郎
日本人工関節学会誌(1345-7608)53巻 Page471-472(2023.12)

Mobile型UKAの術後2~6年の治療成績(原著論文)

藤田 健太郎(済生会富山病院 整形外科)、藤井 秀人吉田 晃
中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)66巻4号 Page659-660(2023.07)

TKAにおける術翌日追加カクテル注射の局麻の適正量は? ロピバカインに加えるリドカインの量を増量して(会議録)

藤井 秀人(済生会富山病院)、吉田 晃外舘 幸司藤田 健太郎
日本関節病学会誌(1883-2873)42巻3号 Page173(2023.06)

大腿骨転子部骨折にDISHを伴う椎体骨折を合併した1例(会議録)

藤田 健太郎(済生会富山病院 整形外科)、吉田 晃外舘 幸司藤井 秀人
骨折(0287-2285)45巻Suppl. Page S419(2023.06)

Mobile型UKAの術後2-6年の短期成績(会議録)

藤田 健太郎(済生会富山病院 整形外科)、藤井 秀人吉田 晃外舘 幸司
中部日本整形外科災害外科学会雑誌(0008-9443)66巻春季学会 Page201(2023.03)

整形外科で手術を受けられる患者さんへ

当科は、日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究に参加しています。本事業について、患者さんにご理解頂きたい事項を掲載いたします。

リンク / 日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究について

このページトップへ