循環器内科
ご案内
*NCD参加について
当科は、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が実施するデータベース事業に参加しています。 本事業について、患者さんにご理解頂きたい事項を掲載いたします。
診療科紹介
済生会富山病院循環器内科では心臓や血管病の診療を行っています。心臓病には心筋梗塞や狭心症といった「虚血性心疾患」、心臓の筋肉(心筋)が弱ってしまう「心筋症」、心臓弁膜に異常を来たす「弁膜症」、動悸やめまいを生じる「不整脈」が含まれます。血管病には足の動脈が細くなったり詰まったりする「閉塞性動脈硬化症」、足の静脈が膨れてこぶになる「下肢静脈瘤」が含まれます。当科ではこれらの病気を高性能な機器で診断し薬やカテーテルという細い管を使って治療しています。また心臓リハビリテーションによる運動療法を行い、心臓病教室を定期的に開催し病気の解説や日常の注意点などを説明しています。
①急性心筋梗塞の治療
急性心筋梗塞は心臓の動脈(冠動脈)が急に詰まることで心筋が壊死し強い胸痛を生じる病気です。放置すると4割の方が亡くなる怖い病気です。カテーテル治療で死亡率を1割以下に下げることが出来ます。すぐに病院に来れば詰まった血管を風船でふくらませステントという金属の筒を置いて血流を戻せます。なるべく早く治療を開始すると良いので当院では来院1時間以内に治療を開始するように体制を整えています。
②狭心症の治療
冠動脈が動脈硬化で細くなり体を動かした時に胸が苦しくなる病気です。カテーテルを使って狭くなった血管を風船とステントで治療します。冠動脈がとても硬くなって風船で広がらない場合もあります。2021年からローターブレーターという超小型ドリルが導入されました。この機器の導入でそれまでは硬くて広げられなかった血管も広げることが出来るようになりました。
③不整脈の治療
2022年7月から心房細動のカテーテル治療(心房細動アブレーション)も開始しました。心房細動で動悸や息切れがある方はカテーテルで治療することが出来ます。また2024年5月から超小型ペースメーカーの心内植え込み(リードレスペースメーカー)も開始しました。
④閉塞性動脈硬化症の治療
足の動脈が細くなったり詰まったりすると歩いたときに足が痛くなります。足の血管も同じようにカテーテルを使って風船やステントで治療することが出来ます。足の血流が戻ると歩いた時の足の痛みが良くなります。
⑤下肢静脈瘤の治療
当科で下肢静脈瘤のカテーテル治療も行っています。
⑥睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に気道が閉塞することで夜間のいびきや日中の眠気が出ます。睡眠時無呼吸は、心血管病や不整脈、糖尿病、高血圧の原因となります。脳波や気流センサーで睡眠時の呼吸状態を確認することが出来ます。CPAPという呼吸補助機器で治療が出来ます。耳鼻咽喉科や歯科口腔外科と連携して治療を行っています。
何かお困りの症状があれば循環器内科にご相談下さい。
スタッフ
News & Topics
- 循環器内科カンファレンス
循環器内科カンファレンス
毎週火曜日午後4時30分から生理機能室にて特に心臓カテーテル検査やカテーテル治療の患者さんについて重点的に検討しています。
当院で行っている院外他病院医師とのカンファレンス
循環器症例検討会
2ヶ月に1回第3木曜日19時から富山県内循環器内科医師が集まり、診療上、問題のある患者さんについて意見を交換しています。時間は約2時間です。当院以外の医師で、参加希望があればご連絡ください。
心臓リハビリテーション
「心臓病の患者さんにリハビリテーション」と言われてもピンと来ない人が多いのではないでしょうか?以前は狭心症や心筋梗塞など心臓病をもつ人は安静第一でしたが、最近の研究から心臓病を患う人には運動が極めて有効であることがわかってきました。そこで心臓病の人に積極的に運動を行うようになり、その結果再発の予防や生活の質の向上などの効果がみられるようになりました。このように心臓病の人が適切な運動を行うことを心臓リハビリテーションと言います。
適切な運動とは
過度な運動は心臓病の人には危険です。そこで、心臓の機能を検査することにより安全かつ効果の大きい運動プログラムを作成します。心臓病の程度や心臓の機能は人によって異なるため運動のプログラムも異なります。
実際にどんなことをするのですか?
以下の順序で行います。
- 血圧測定などの状態のチェックを行います。
- 準備体操を行います。
- 歩行や自転車こぎなどの有酸素運動の他、道具を使った筋力運動をおこないます。
- 最後に整理体操を行い終了です。
水分補給を行い帰宅していただきます。
心臓リハビリテーションの効果
- 体力が回復し、スムーズに動けるようになります。
- 筋肉や骨が鍛えられ、疲れにくくなるとともに心臓の働きを助けます。
- 動脈硬化のもととなる危険因子(高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満)が軽減します。
- 血管が柔らかくなり、循環が良くなります。
- 狭心症や心不全の症状が軽減します。
- 自律神経を安定させ、動悸や不整脈が軽減します。
- 不安が改善し快適な生活を送る事が出来ます。
- 心筋梗塞の再発や突然死が減り、死亡率が減少します(3年間で約25%の死亡率低下)。
入院から外来へ
当院に入院された方は入院中より心臓リハビリテーションを行い、退院後は外来で週に1~3回の外来リハビリテーションを行っています。病状、身体機能さらに家庭環境などをカンファレンスで検討して、適切な運動プログラムを作成しています。なおカンファレンスは毎週行い常に最適のプログラムを検討しています。
他院からの紹介
現在、他院で心臓手術などの治療を受けられた方もリハビリテーションを行っております。外来受診をしていただき外来で必要な検査を行います。その後通院でリハビリテーションを行っておりますので、心臓、血管の病気をお持ちの方は当院循環器内科にご相談ください。
心臓病教室
心臓病は一度発症すると再発・悪化の予防を含め、生涯を通して付き合っていく必要があります。
当院では、心臓の病気を患った方やそのご家族だけでなく、地域の皆様を対象に、年に6回心臓病教室を開催しています。医師・理学療法士・管理栄養士・保健師・看護師・薬剤師により、様々なテーマで講義をおこなっております。
参加は自由ですので、お気軽にご参加ください。
※2024年度の日程については、決まり次第ご案内します。