病院案内
令和6年度 富山県済生会富山病院 病院指標
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 0 | 30 | 93 | 95 | 172 | 361 | 578 | 1404 | 1489 | 593 |
済生会富山病院を令和6年度に退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計した表です。小児科の休止に伴い、10歳未満の退院患者はいませんでした。最も退院患者数が多かったのが80歳台の31%、次いで70歳代の29%で、70歳以上で全体の88%を占めていました。
当院は地域医療支援病院として、高齢化に伴い増えている患者さんを引き続き広く受け入れます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) | 302 | 2.02 | 2.57 | 0 | 68.91 | |
0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) | 147 | 19.86 | 16.4 | 17.69 | 86.6 | |
040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 | 118 | 25.41 | 20.78 | 38.14 | 85.53 | |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患 | 83 | 5.81 | 4.18 | 1.2 | 73.31 | |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 | 82 | 18.45 | 13.66 | 12.2 | 81.09 |
当院では、救急患者を積極的に受け入れているため、感染症の患者が上位を占めています。誤嚥性肺炎は、高齢の方や脳卒中後の方で食物等を飲み込む(嚥下)機能が低下することで発症する肺炎です。高齢者に多く、基礎疾患もあるため入院期間も長くなっています。当院では、多職種による摂食嚥下サポートチームが入院直後から介入し、肺炎治療と並行して嚥下機能回復にも努めています。腎臓又は尿路の感染症も、高齢者の感染症の代表的なものです。
狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療、大腸ポリープや胃癌の内視鏡治療も積極的に行っています。狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療では、運動療法など心臓リハビリテーションも同時に行っているため、全国平均に比べ在院日数が伸びていますが再発防止に重要なものです。
外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) | 68 | 4.12 | 4.54 | 1.47 | 69.85 | |
060150xx03xxxx | 虫垂炎 | 23 | 4.65 | 5.32 | 0 | 49.04 | |
060335xx0200xx | 胆嚢炎等 | 23 | 9 | 7.05 | 0 | 68.65 | |
060210xx99000x | ヘルニアの記載のない腸閉塞 | 22 | 7.95 | 9.08 | 0 | 68.5 | |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 | 22 | 10.5 | 9.77 | 0 | 76.95 |
当院外科では、主に消化器領域の外科手術を消化器内科と連携して行っています。胆石症や虫垂炎や鼠径ヘルニアといった良性疾患の患者さんは非常に多く、手術件数は多くなっています。その他甲状腺、乳腺等の一般外科も診断から治療まで診療も比較的多う行っています。良性疾患に比べると件数は多くありませんが癌などの悪性疾患ももちろん専門医が診断治療にあたっております。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx02xxxx | 股関節・大腿近位の骨折 | 87 | 43.54 | 25.29 | 19.54 | 84.57 | |
070350xx01xxxx | 椎間板変性、ヘルニア | 76 | 10.09 | 9.35 | 0 | 59.55 | |
160690xx99xxxx | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) | 49 | 30.9 | 19.16 | 20.41 | 81.76 | |
070343xx02x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 | 40 | 8.55 | 11.25 | 2.5 | 72.25 | |
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) | 34 | 15.26 | 18.76 | 0 | 68.97 |
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060xx99x40x | 脳梗塞 | 74 | 20.41 | 16.89 | 40.54 | 75.78 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 52 | 8.29 | 7.99 | 9.62 | 66.5 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 | 46 | 11.26 | 9.83 | 10.87 | 78.91 | |
010040x099000x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) | 23 | 29.3 | 18.68 | 78.26 | 69.96 | |
160250xxxx0xxx | 眼損傷 | 16 | 2.88 | 4.52 | 0 | 79.38 |
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 片眼 | 220 | 3.1 | 2.49 | 0 | 77.72 | |
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 両眼 | 43 | 5 | 4.29 | 0 | 72.81 | |
020220xx97xxx0 | 緑内障 片眼 | 13 | 3 | 4.52 | 0 | 77.69 |
当科では白内障手術は基本的に片眼を2泊3日、両眼で4泊5日で行っています。その他手術として緑内障手術(流出路再建術や濾過手術、緑内障インプラント挿入術)を行っており、今年度より斜視手術も行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 | 24 | 2 | 2.02 | 0 | 58.33 |
耳鼻咽喉科では睡眠時無呼吸症候群の検査入院やめまいや感染症による入院の他に、慢性副鼻腔炎や喉頭疾患に対する手術のための入院が多数を占めています。睡眠時無呼吸症候群に関しては地域の医院と連携して検査・治療を行っており、検査入院が増加傾向にあります。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080020xxxxxxxx | 帯状疱疹 | 12 | 8.25 | 9.33 | 0 | 75.67 |
蜂窩織炎や高齢者の帯状疱疹を主に対応しています。最近では、比較的大きな皮膚・皮下腫瘍や顔面の腫瘍なども安全面を考慮して1泊入院での手術を行っています
泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 | 32 | 6.47 | 6.81 | 0 | 76.44 | |
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍 | 30 | 3.03 | 2.45 | 0 | 71.77 | |
11022xxx01xxxx | 男性生殖器疾患 | 27 | 2.15 | 3.53 | 0 | 33.11 | |
11012xxx03xxxx | 上部尿路疾患 | 26 | 2.5 | 2.4 | 0 | 60.42 | |
110200xx99xxxx | 前立腺肥大症等 | 16 | 4.94 | 5.59 | 6.25 | 78.19 |
当院の泌尿器科では、泌尿器科全般の疾患を取り扱っています。泌尿器科悪性腫瘍でロボット手術が必要な患者さんについては、富山大学をはじめとする近隣の当該病院への紹介を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 15 | - | - | - | - | 10 | 1 | 8 |
大腸癌 | 10 | 13 | 25 | 34 | 10 | 42 | 1 | 8 |
乳癌 | - | 15 | - | - | - | - | 1 | 8 |
肺癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 8 |
肝癌 | - | - | - | - | - | 13 | 1 | 6,8 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
胃がん、大腸がんでは、早期で可能な症例には積極的に内視鏡的切除を行っています。
がん治療は、診断から手術、化学療法、緩和療法まで、検診部門、他診療科(内科、歯科口腔外科など)、検査部門(放射線、超音波部門など)、専門・認定看護師、管理栄養士、リハビリテーション療法士、地域連携部門、訪問看護など、多職種が関わり、患者さんやご家族の満足度の高い治療を行うよう努力しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | - | - | - |
中等症 | 190 | 19.45 | 79.63 |
重症 | 49 | 26.51 | 86.84 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
市中肺炎では、軽症は外来治療が一般的です。中等症例が最多ですが、重症例ほど高齢者が多く、治療期間も長くなっています。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 109 | 27.25 | 78.75 | 43.84 |
その他 | 37 | 32.11 | 76.35 | 11.64 |
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 291 | 0 | 1.01 | 0 | 68.96 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 63 | 3.21 | 4.94 | 6.35 | 74 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 52 | 1.52 | 10.21 | 1.92 | 77.52 | |
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 42 | 2.05 | 5.43 | 2.38 | 72.69 | |
K5463 | 経皮的冠動脈形成術(その他) | 30 | 3.2 | 3.5 | 3.33 | 74.47 |
内科でもカテーテルや内視鏡を用いた手術を行っています。
経皮的冠動脈ステント留置術は、狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化により心臓の血管(冠動脈)が細くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)したところを風船(バルーン)カテーテルで広げ、薄い金属の網(ステント)で内張をして治療する手術です。四肢の血管拡張術・血栓除去術は、主に足の動脈に生じた狭窄や閉塞をバルーンカテーテルやステントを用いて治療する手術です。
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、大腸ポリープや腫瘍を内視鏡を用いて切除する手術です。
外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 47 | 0.11 | 2.7 | 0 | 68.43 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 39 | 2.41 | 6.03 | 0 | 69.46 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 24 | 0.21 | 3.5 | 4.17 | 70.08 | |
K718-21 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) | 23 | 0.48 | 3.17 | 0 | 49.04 | |
K4765 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) | 15 | 3.8 | 7.93 | 0 | 76.53 |
各種分野の専門外科医が専門的な手術を行っています。また内視鏡手術の技術認定医が在籍し、最新の器機をそろえ安定した侵襲の少ない腹腔鏡下手術も行っており年々件数が増加しています。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | 90 | 2.08 | 38.23 | 24.44 | 83.38 | |
K134-22 | 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) | 74 | 1.76 | 8.86 | 0 | 60.54 | |
K0821 | 人工関節置換術(股) | 52 | 1.75 | 17.37 | 0 | 71.58 | |
K0462 | 骨折観血的手術(下腿) | 41 | 2.34 | 11.12 | 2.44 | 66.93 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(股) | 37 | 2.59 | 37.05 | 24.32 | 82.65 |
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K164-2 | 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) | 19 | 1.11 | 20.32 | 21.05 | 77.63 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 16 | 3.31 | 28.75 | 12.5 | 67.63 | |
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | 10 | 9.5 | 15.9 | 10 | 73 |
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) | 262 | 1 | 1.42 | 0 | 76.85 | |
K2682イ | 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) | 15 | 1 | 1 | 0 | 76.87 |
泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 35 | 0.97 | 4.43 | 0 | 75.03 | |
K768 | 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 | 33 | 0.21 | 1.52 | 0 | 54.27 | |
K834-3 | 顕微鏡下精索静脈瘤手術 | 17 | 0 | 1 | 0 | 30.82 |
当院の泌尿器科では、膀胱悪性腫瘍や尿路結石の内視鏡手術を多く施行しています。また、男性不妊の診療にも力を入れており、顕微鏡使用での手術も積極的に行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 13 | 0.27 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 34 | 0.71 |
異なる | 18 | 0.37 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - |
播種性血管内凝固症候群は、全身の血管内で血液が固まり(凝固)血が止まらなくなる重症の病態です。
敗血症は感染に対する全身の反応ですが、ショックや臓器障害を合併することがある重症の病態です。
真菌感染症はカビが原因の感染症で、免疫力が高度に低下した場合などでみられます。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
---|---|---|
553 | 540 | 97.65 |
腹腔鏡手術では特に肺塞栓症の合併症には注意が必要です。開腹手術に比べ特殊な体位で手術を行ったり、気腹を行わなければ手術できないためリスクが高くなります。そのため当院では多様な予防措置を行っております。近年術後の肺塞栓症は発生しておらず安心して手術を受けていただけると思います。
血液培養2セット実施率
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
1276 | 879 | 68.89 |
血液培養については感染症を疑う場合、2セットで採取するように推奨しています。高齢患者が多く採血困難な場合もあり1セットしか採取できない事例が一定数ありますが、可能な限りは2セットでの採取としております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
340 | 293 | 86.18 |
抗菌薬を適正に使用するその判断のひとつとして培養検査を実施するよう推奨しています。
抗菌薬適正使用チームでは毎週、入院患者の培養結果と抗菌薬の使用状況を確認しています。
また抗菌薬長期使用患者と特定抗菌薬使用患者の細菌培養結果の確認と必要時には細菌培養を実施するよう介入しています。
転倒・転落発生率
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
53536 | 127 | 2.37 |
高齢化に伴い、入院中の転倒・転落の危険性が高まっています。転倒・転落により、怪我をしたり入院期間が延長したりして、寝たきりのリスクが高まります。済生会富山病院では、転倒・転落予防マニュアルに沿って入院直後から繰り返し評価と対策を行い、入院中の転倒・転落発生を予防しています。令和6年度に発生した転倒・転落発生率は千分率で2.37‰(百分率で0.237%)で、ほぼ全国平均(2.60‰)並みで中央値(4.2~4.57‰)を下回っていました
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
---|---|---|
53536 | 0 | 0 |
「インシデント」は、「患者さんに障害や不利益を及ぼさなかったものの、医療の過程で事故が発生したか、または発生しかけた事象」を指します。そのうち「インシデント影響度分類レベル3b」は、「有害事象のうち濃厚な治療や処置(予定外の処置や治療、入院、入院期間延長など)が必要となった場合」に当たります。前述4)に記載したように、転倒・転落によりこのようなインシデントが生じると、寝たきりのリスクが高まります。令和6年度、済生会富山病院では転倒・転落による「インシデント影響度分類レベル3b」の発生はありませんでした。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
---|---|---|
678 | 678 | 100 |
手術開始前1時間以内に、適切な抗菌薬を投与することで、手術中に患者の体内で増える細菌(主に皮膚に常在する細菌)の量を、患者自身の免疫が防御できる程度にまで減らし、手術後の手術部位感染(SSI)を予防することができ、入院期間の延長や追加の治療などを抑制できると考えられています。令和6年度、済生会富山病院ではすべての予防的抗菌薬投与が手術開始前1時間以内に投与開始されていました。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
---|---|---|
51804 | 13 | 0.03 |
褥瘡とは「床ずれ」のことで、寝たきりなどのために体重で圧迫された部位の血流悪化やうっ滞が起こり、皮膚が障害を受けたり、傷ができた状態です。褥瘡は重症化しやすく、感染や低栄養などの合併症のために、しばしば治療が長期化し、ますます寝たきりなどを誘発します。そのため、発症前の予防が重要とされ、済生会富山病院では、褥瘡対策マニュアルに基づき早期から褥瘡の適切な評価、予防、指導を行っています。「d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡」は傷の深さを0(無)~5(最も深い)で分類した、浅い方から2番目の深さです。令和6年度の「d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率」は0.03%で、全国の平均0.35%を下回っています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
---|---|---|
3059 | 2761 | 90.26 |
高齢者では、低栄養が免疫力の低下等による感染症などの合併症の増加、術後の回復遅延などによる入院期間の延長や病状の悪化をもたらすことがあります。そのため、早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることが重要です。令和6年度、済生会富山病院では65歳以上の患者の入院早期(48時間以内)の栄養アセスメントを90.26%に施行しており、全国平均(87.80%)を上回っています。
身体的拘束の実施率
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
---|---|---|
53536 | 8884 | 16.59 |
身体拘束は、患者さんが無意識に人工呼吸器や点滴などを外すなどの危険行為を予防し安全を確保するために、やむを得ず実施される場合があります。しかし、これらの行為は、患者さんに身体的・精神的・社会的な悪影響をもたらす危険性もあるため、最小限に留めなければなりません。済生会富山病院では、行動評価と身体抑制のマニュアルを定め、危険行動の予防のため必要最小限の身体抑制の実施と毎日の行動制限カンファランスにより、介入の必要性を再評価し可能な限り最短での解除に取り組んでいます。令和6年度の身体拘束の実施率は16.59%と全国平均11~12%より高く、引き続き身体拘束の最小化に取り組んでゆきます。
更新履歴
2025/9/29
令和6年度 富山県済生会富山病院指標を公開しました。