脳神経外科
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高次脳機能障害外来
脳血管内治療外来

高次脳機能障害外来

どのような症状や病気の方の外来でしょうか?

交通事故や脳卒中などで脳が損傷されると、後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが残り、目に見えなくても日常生活や就労に支障をきたすことがあります。これまでの高次脳機能障害は、脳損傷に起因する失語症、失行症、失認症などをさしていましたが、厚生労働省が平成13年から開始した「高次脳機能障害支援モデル事業」を契機に、特に「記憶障害」「注意障害」「遂行機能障害」「社会的行動障害」といった認知の障害が原因となって、日常生活や社会生活にうまく適応できない人たちがいることがわかりました。

このような方々に対して、診断・リハビリテーション・社会資源サービスの不足が社会問題となっていることから、平成19年1月に富山県高志リハビリテーション病院内に「高次脳機能障害支援センター」が開設されました。現在、高次脳機能障害支援普及事業として富山県全域に高次脳機能障害の方々に対して支援の輪を広げているのですが、当院は、富山県高次脳機能障害支援センターからの協力依頼をうけて、平成21年5月から高次脳機能障害外来を開設することになりました。当院の高次脳機能障害外来では、富山県高次脳機能障害支援センターと協力しながら、高次脳機能障害の方々に対して、相談・診断・治療・支援を行っています。

高次脳機能障害の症状として、1)記憶障害、2)注意障害、3)遂行機能障害などがあり、それが原因となって、対人関係に問題があったり、生活・就労への適応が難しくなってことがあります。1)記憶障害、2)注意障害、3)遂行機能障害、4)社会的行動障害では、以下のような症状を認めます。


(1) 記憶障害

記憶障害とは、事故や病気の前に経験したことが思い出せなくなったり、新しい経験や情報を覚えられなくなった状態をいいます。

  • 今日の日付がわからない、自分のいる場所がわからない
  • 物の置き場所を忘れたり、新しい出来事が覚えられない
  • 何度も同じことを繰り返し質問する
  • 一日の予定を覚えられない
  • 自分のしたことを忘れてしまう
  • 作業中に声をかけられると、何をしていたか忘れてしまう
  • 人の名前や作業の手順が覚えられない


(2) 注意障害

注意障害とは、周囲からの刺激に対し、必要なものに意識を向けたり、重要なものに意識を集中させたりすることが、上手くできなくなった状態をいいます。

  • 気が散りやすい
  • 長時間一つのことに集中できない
  • ぼんやりしていて、何かするとミスばかりする
  • 一度に二つ以上のことをしようとすると混乱する
  • 周囲の状況を判断せずに、行動を起こそうとする
  • 言われていることに、興味を示さない
  • 片側にあるものだけを見落とす


(3) 遂行機能障害

遂行機能障害とは、論理的に考え、計画し、問題を解決し、推察し、そして、行動するといったことができない。また、自分のした行動を評価したり、分析したりすることができない状態をいいます。

  • 自分で計画を立てられない
  • 指示してもらわないと何もできない
  • 物事の優先順位をつけられない
  • いきあたりばったりの行動をする
  • 仕事が決まったとおりに仕上がらない
  • 効率よく仕事ができない
  • 間違いを次に生かせない


(4) 社会的行動障害

社会的行動障害は、行動や感情を場面や状況にあわせて、適切にコントロールすることができなくなった状態をいいます。

  • すぐ怒ったり、笑ったり、感情のコントロールができない
  • 無制限に食べたり、お金を使ったり、欲求が抑えられない
  • 態度や行動が子供っぽくなる
  • すぐ親や周囲の人に頼る
  • 場違いな行動や発言をしてしまう
  • じっとしていられない


どのような検査や治療がおこなわれるのでしょうか?

高次脳機能障害の診断は、問診・画像検査・神経心理検査をもとに総合的に判断したうえで、適切な治療や地域での支援サービスを提供できるようにします。

画像検査では、頭部CT 、MRIや脳波、脳血流検査などを行います。神経心理検査では、高次脳機能障害の特徴や重症度を測定するための様々な検査を、その方の症状にあわせて、いくつかの検査を組み合わせて行います。代表的な検査として 記憶検査、注意検査、遂行機能検査、知能検査などがあります。

高次脳機能障害の治療は、まず、「見えない障害」をご本人・ご家族が知ることから始まります。次に、「見えない障害」を日常生活や職場の中で経験していくなかで、「見えない障害」に対する自覚(病識)と代償手段を身につけることが必要です。

高次脳機能障害の特徴として、ご本人が「見えない障害」に対して気づかないことが多いことから、家族と周囲の人が高次脳機能障害を正しく理解して、支えてあげることがより大切になります。家族と周囲の人が対応の仕方を工夫し、周囲の環境を整えるなど適切な対応を行えば、それまでうまく出来なかったことが出来るようになったり、問題行動が減ったりすることがあります。環境を整えるためには、その方の障害特性にあわせて生活空間を整えたり、対応する人(家族、関係するスタッフ)が適切な声かけや支援方法を統一することが必要です。

また、代償手段として、脳の失われた機能を他の方法(タイマーや手帳、作業の手順表など)で置き換えて身につけることも必要です。その他の治療として、記憶障害や感情障害(うつ、アパシー)に対してお薬を処方することもあります。就労を希望する場合は、富山県高次脳機能障害支援センターと協力して支援することになります。

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