脳卒中合宿セミナー
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「 2014年 脳卒中合宿セミナー」のご案内


 皆様のご協力ならびにご支援のおかげで、本セミナーは今年で第7回目を迎えることができました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
 今回のテーマは「超高齢社会の脳卒中医療 〜加齢を識り、高齢者を知り、脳卒中医療を深める〜」といたしました。わが国における65歳以上(高齢者)の人口は、2007年に全人口の21%を越え、すでに超高齢社会に突入しています。その後もさらに高齢者人口の割合は増加を続けており、50年前の「労働人口約6人で1人の高齢者を支える社会」が、現在は「労働人口2〜3人で1人の高齢者を支える社会」に変化してきています。
 その一方で、過去50年間にわが国における脳卒中の位置づけもまた大きく変化しました。50年前(昭和40年代)には国民病と呼ばれて欧米の2倍以上の死亡率だった脳卒中は、いまやわが国の死亡率統計(死因別)の第4位になりました。しかし、ここで決して誤解をしないでください。このことは、単に医療の進歩や減塩指導に伴って、脳卒中が「命を落とす疾患」としての色合いが薄まっただけにすぎません。その一方で、「後遺症を残して介護を要する疾患」としての色合いが濃くなってきており、介護が必要になった原因として、脳卒中が何年間も第1位を占め続けています。脳卒中そのものはあまり減っていないというのが、現実です。これらの背景を考えると、今の日本の社会において、脳卒中に対する質の高い取り組みがいかに重要であるかを強く再認識させられます。
 超高齢社会の脳卒中医療で結果を出すためには、加齢に伴う変化を十分に認識し、メンタルな面も含めて高齢者を理解することが大前提です。その上で、社会レベルのチーム医療を展開し、予防はもちろんですが、1分間でも早く脳卒中医療体制の整備された病院に搬送し、質の高いチーム医療を展開して急性期における最善の結果(これがスタート地点でもある)につなげること、そしてコミュニケーションのよくとれた連携を介して最適な方法を用いた機能回復と再発予防に努めること、これらが超高齢社会に求められる脳卒中医療ではないでしょうか。
 昨年、本セミナーの参加者は初めて200名を超え、全国から参加者にも集まってもらえました。病院の窓の外には北アルプスがそびえ立っています。澄んだ空気の中で、共に学び、共に熱く意見を語り合い、そして交流を深めましょう。暑い夏の週末を、富山の地で、さらに熱く一緒に過ごせますことを心より楽しみにお待ちしています。

2014年 脳卒中合宿セミナー 準備委員会
脳神経外科 久保道也
看護部 沖本真由子・巽のどか・佐伯 梢








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