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人工関節センター

ご案内

 済生会富山病院は富山市医療圏の二次救急病院として、また富山市北部地域の中核病院として、1997年の移転以来、この地で地域の皆様と歩んでまいりました。

 市内の中では病院の規模は大きくはないものの、これまで蓄積してきた人工関節手術の経験と、看護師、リハビリ部門、事務部門を含めた人工関節チーム医療の体制の整備(のちに説明するラピッドリカバリープログラム、また先進医療【実物大臓器立体モデルによる手術支援】の実施(2016年3月まで)を柱として、2013年9月に人工関節センターを設立いたしました。
※諸般の事情により、令和5年9月29日(金)を以って、「人工関節センター」を当面閉鎖いたします。ご迷惑をおかけいたしますが、 ご理解いただきますようお願い申し上げます。「現在通院中の方」、「定期検査を受けている方」、「新規に治療を希望する方」につきましては、 引き続き診療を行いますので、受診ください。

100379_02.pngひざの病気の原因と人工膝関節置換術 → 詳しくはこちら

100379_03.png股関節の病気の原因と人工股関節置換術 → 詳しくはこちら

100379_02.png 100379_03.pngよくある質問 → 詳しくはこちら


特色

各科連携による包括的治療

整形外科、循環器内科、各専門内科、麻酔科などの各診療科が連携し、術前計画から手術の麻酔、術後の疼痛対策も含めた包括的な人工関節手術治療を行っています。


痛みの少ない手術

当院ではいろいろな術後の疼痛緩和対策を実施しています。
特に手術後2日目までの痛みはほとんど言われないことが多くなりました。また痛みを緩和して、早くリハビリを開始する早期回復プログラムにも取り組んでいます。


入院前からの十分な手術説明(含リハビリテーション、介護保険・高額療養制度等)と、術後の早期機能回復プラグラム(ラピッドリカバリープログラム)

入院前から1,2回通院をしていただき、外来看護師による入院前後の説明、リハビリテーション科でのホームプログラムの指導と住宅状況の把握、医事課入院係から高額医療制度などの説明を行います。

入院時には患者さんの状態はある程度スタッフが把握しており、術後のリハビリが順調に進んで早期の機能回復が得られます。


ラピッド(早期) リカバリー(回復) プログラムとは

人工関節手術を受けられる患者さんの早期回復のためのトータルプログラムです。
患者さんが安心して手術を受け、より早く日常生活に戻れるよう当院の人工関節専門チームが一丸となってサポートします。

特に、以下の3つを徹底し治療にあたることで、患者さん一人ひとりのQOL(生活の質)の向上を目指しています。
  • 人工関節専門チームのケア
  • 入院前から手術、退院後までの充実した情報提供
  • 早期回復を促す運動プログラムの実践
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人工関節専門チーム

※このプログラムは、下記のいずれかを受けられる方が対象です。

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人工膝関節手術
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人工股関節手術

治療の流れ

ここでは、実際に患者さんが抱えている人工関節手術に対する疑問や不安を少しでも解消できるよう、当院の人工関節専門チームのスタッフが入院前から退院後の生活までの主な流れについてご紹介します。
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  人工関節専用ガイドブック


手術が決まったら

  • ガイドブック(手術に関する資料)を受け取ります。
  • 検査を受けます。(例:肺のレントゲン、心電図、血液検査、尿検査)
  • 手術前リハビリのために来院する日を決めます。


入院前の来院時に行うこと(4週間〜2週間)

  • 手術前リハビリを行います。(2、3回)
  • 自己血輸血の採血を行います。(股関節の場合や必要に応じて)
  • 費用についての説明を受けます。→ 詳しくはこちら
  • 手術に必要となるいろいろなレントゲン写真を撮影します。(膝関節の場合)
  • 人工関節手術DVDを視聴します。
  • 入院についての説明を受けます。
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  • 禁煙・減煙をしましょう。 
    喫煙は治癒のために欠かせない体の酸素の循環を少なくする働きがあります。
  • 手術前から運動をはじめましょう。
    手術前から運動をはじめて必要な筋力をつけておくことは、手術後の回復を促すためにとても有効です。
    ※担当医師や理学療法士から指導された運動を行いましょう。
  • 術後感染の予防のため、虫歯は治療しておきましょう。


手術前

手術を受けることを決断し、入院されてくる患者さんへ
私たち病棟看護師が、安心して治療が受けられるようにサポートいたします。
手術に対する不安や痛みについて、退院後の生活のことなどなんでもご相談ください。

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  • 便が出にくい場合は下剤や浣腸を使用することがあります。
    入院前から便通を整えておきましょう。 
  • 不安や環境の変化により、眠れないこともあります。 睡眠導入剤の使用の希望があれば、ご相談ください。 
  • 手術前に病棟で点滴をし、手術室で麻酔をします。 
  • 適応のある方には、経口補水療法を実施しています。
    経口補水療法の対象の方は、病棟で麻酔のための点滴の管を刺します。
    ただし点滴は手術室に入ってから行います。 
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入院中

  • ガイドブックをよく読んでおきましょう。
  • 「痛みのスケール」を毎日記録していきます。
     手術前~手術後の痛みの経過を、看護師と一緒にみていきます。
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人工関節専用ガイドブック
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痛みのスケール


手術後

  • 担当医師からご家族の方に手術の結果についてのお話があります。
  • 点滴の管、尿の管などが体内に入っています。
  • もし痛みが強い時は痛み止めの注射や座薬などを使用しますのでお申し出ください。


人工関節手術のリハビリテーション

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経口補水療法

経口補水療法とは?

経口補水療法とは、点滴に代わる水・電解質補給療法です。
経口補水液を飲むことによって、点滴をするのと同じような水・電解質補給効果があります。経口補水液は水分と電解質と糖分等をすばやく補給できるように濃度を調節した飲料です。

経口補水液を飲むことで、点滴のような特殊な器具が手術直前まで不要なので、安全かつ簡便という利点 があります。状態が安定していて経口摂取が可能な方の水・電解質補給方法の一つとして役立て られています。


術前の絶飲食と経口補水療法の考え方

手術前の精神的不安に加え、術前の絶飲食はのどの渇きと空腹感を助長し、大きなストレスとな ります。最近の研究によって、従来行われてきた術前の絶飲食の期間を大幅に短縮することが可 能であり、それによって患者さんのストレスを取り除くことが可能であるとわかりました。

従来は全身麻酔をする時には手術前夜から飲食禁止という考え方が主流でした。これは、胃の内容物が麻酔中に逆流して誤って肺に入ってしまうことで発生する誤嚥性肺炎を予防するためです。

しかし、最近の研究では、手術の3時間前までなら成分の調整された飲料を摂取しても安全に管 理できることが明らかになりました。

術前の絶飲食をなくし、経口補水液を摂取することで、術前の点滴が不要になります。手術室で 点滴が開始になります。

手術前後のリハビリと注意点

リハビリテーションの流れ

  • 手術前の状態確認と指導(外来)
    術前の股関節、膝関節の状態や生活状況を評価させて頂きます。
    また、退院時に備え、ご自宅の生活環境についてアンケートを行います。 
  • 入院中のリハビリ手術翌日よりベッドサイドにて開始します。
    関節の曲げ伸ばしや筋力トレーニング、歩行練習などを回復状況に応じて進めていきます。
手術翌日 2日目 ~1週間 ~2週間
病棟リハビリ
歩行器での歩行
リハビリ室出療 一本杖での歩行 階段昇降
日常生活動作
自主トレ指導
退院

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  • 退院後のリハビリ

  • 退院時に自宅でできる自主トレーニングを指導します。そのため基本的には外来通院でのリハビリはありません。回復状況によっては通院して頂き、リハビリを行う場合もあります。



手術後の注意点

  • 入院時や退院時に患者さんご自身で運動を行って頂くことが大切です
  • 習慣的に行っている動作を見直しましょう
  • ご自身の生活環境を整えましょう


いくらかかるの?気になる費用について

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高額療養費制度

病院や薬局の窓口で支払った額のうち、一定の金額を超えた分が支給される高額療養費制度があります。自己負担限度額は患者さんの年齢と所得によって分かれており、おおまかに次のようになります。

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※食事代や保険診療外のもの(保険診療外の治療費、個室料、文書料など)は別途費用がかかります。


入院時の食事代

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地域医療連携室・医療福祉相談室

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お気軽にご相談ください!
専門の看護師・医療ソーシャルワーカーが相談に応じます。(相談は無料です)
例えばこのような時に、ご利用ください。

自宅は和式トイレだから、洋式トイレに変えたい・・・
お風呂や廊下に手すりを付けたい・・・

『介護保険』の認定を受けていれば、要介護区分に関係なく、上限 20万円までの住宅改修費が支給されます。(自己負担は 1~3割)

ただし、細かい条件がありますので、詳しくは直接ご相談ください。
※ 介護保険で利用できるサービスは他にも色々あります。
  •  入院費や生活費が心配・・・
  •  福祉制度について知りたい・・・

 → 高額療養費制度や身体障害者手帳などについてご説明します。

  •  その他療養に伴う様々な悩みについて相談したい・・・

手術の疑問や不安を解消するための工夫

ここでは手術に関するよくある質問に対して、当院の“ラピッドリカバリープログラム”でどのように解決していくのかを、いくつか例をあげてご紹介します。


整形外科の待合室で・・・

100387_01.png人工関節手術ってなにかしら?
100387_02.png 100387_03.png 100387_04.png
各種パンフレットとDVD

ご自宅で・・・

100387_01.png人工関節手術とはなにか・・・分かったつもりで家に帰ったけど、家族にうまく説明できない。「その手術、本当に大丈夫なの?」と言われ、なんだか不安になってきた・・・
100387_05.png 100387_06.png
人工関節手術専用ガイドブック

手術後の病室で・・・

100387_01.png私は順調に回復しているのかしら・・・隣のベッドの人はずいぶんリハビリが進んでいるみたいで焦っちゃう・・・
100387_07.png 100387_08.png 100387_09.png
人工関節手術専用ガイドブック(リハビリテーションと運動)

退院後・・・

100387_01.png退院後、どんなことに注意すればいいんだっけ?!退院するのが怖くなってきた・・・
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※詳細は当院の担当医師におたずねください

→ 整形外科TOPページ

関節痛にお悩みの方、人工関節手術をご検討の方向けの「正しい・役立つ」情報サイト
http://kansetsu-life.com/
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人工膝関節置換手術(Total Knee Arthroplasty, TKA)

当院では小切開にこだわらず10~15センチの切開で確実な手術を行っています。手術後の膝関節の屈曲角度は全国でもトップレベルに近い128度です。


病気の原因

この手術が必要となる主な病気として、変形性膝関節症関節リウマチがあります。
変形性膝関節症は重労働をした、以前ケガをした、体重が重い、などの原因によって年をとるに従って関節軟骨が磨り減ってくる病気(機械的に関節軟骨がすり減るようなイメージ)であり、関節リウマチは膝の潤滑油に当たる関節液を作っている滑膜が炎症を起こし、軟骨がだんだんと溶けてしまう病気(化学的に関節軟骨が溶けるようなイメージ)です。

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正常
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変形性関節症
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関節リウマチ


膝の症状

(1)関節に痛みが生じる
まず、立ったり座ったりや階段の昇り降りの時に痛みを生じることから始まり(第1段階)、
次に平らなところを歩いている時にも痛むようになり(第2段階)、
もっと悪化するとじっとしているときや夜寝ているときにも痛むようになります(第3段階=末期症状)。

(2)動きが悪くなる
曲がらなくなる(正座ができなくなる、和式トイレが困る)
完全に伸びなくなる(膝の後ろが突っ張る)

(3)変形をおこす
O脚やX脚になる

治療

いずれの病気でも、まず手術をしない治療(内服薬、湿布などの外用薬,関節内注射、リハビリなど)を行います。しかしこれらの治療で改善せず、関節軟骨がかなりなくなって骨同士で擦れ合うぐらいに関節が痛んでしまい、かつ上記の第3段階のような強い痛みを伴う場合、痛みをとる目的で行う治療が人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty, TKA)です。


手術によるメリット

痛みがほとんどとれる

手術によるデメリット 手術創周囲の違和感が残る
正座できるほど膝が曲がることはない(90~120°のことが多いが、最近は良く曲がる場合もある)
重いものを持つ、農作業をするなどの重労働を控える必要がある


手術方法

膝前面を縦に10~15センチ切開します(以前ほかの手術を受けているなど皮膚の状態によって多少変わる場合があります)。擦り減ったり溶けたりした大腿骨脛骨の軟骨を切除し、大腿骨側は金属製の部品を、また脛骨側は金属製の部品に高分子ポリエチレン(スキーやスノーボードの裏の素材に似たもの)を乗せたものを設置し、この2つの部品をはめ込みます。膝蓋骨は場合によって取り替えることがあります。

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後療法(リハビリテーション)

手術の前からリハビリを始めます。手術前は現在の状態の評価、筋力増強訓練、術直後の運動指導、などを行います。手術後は主に以下の運動を中心にリハビリが進みます。

(1)筋力をつける練習
膝を伸ばしたまま下肢全体を持ち上げる練習(SLR),膝に力を入れて伸ばす練習などがあります。筋力がないと力が入らず歩けないので、手術翌日からでも練習を始めます。

(2)関節を動かす練習
膝リハビリクッションを購入していただき、ベッド上で寝ているときから動かす練習を始めます。リハビリ室へ行くようになると、このクッションでの練習と理学療法士による練習との両方を行います。

(3)生活動作練習
歩行が上手になってくるにつれて階段、床からの立ち上がりなどの自宅で生活するための練習が加わります。

大まかな日程としては、手術翌日から歩行器での歩行練習、車椅子乗車、2日目からリハビリ室へ行っての立位・歩行練習、3~7日くらいで歩行器での歩行練習、1~2週で一本杖を使っての歩行、となり、手術後約2週で退院となります。

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手術前:O脚変形が著しい
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退院直前:まだ腫れているが変形は
矯正されて痛みもかなり改善した


退院後の注意

通常の生活や旅行などは差し支えありませんが、かなり負担のかかることは人工関節部品の磨り減りや緩みにつながります。農作業をする、重いものを持つなどの重労働は控えたり、体重が増えたりしないように注意しましょう。また人工関節がいたんでくる場合(15年間で約1割に入れ替え手術が必要になる)は痛みを伴うことが多いのですが、痛みを伴わない場合もあるので、少なくとも年に1回は定期的に受診し、人工関節の定期点検を受けましょう。


人工股関節置換手術(Total Hip Arthroplasty, THA)

   当院では9割以上の方に仰臥位前方アプローチ(Direct Anterior Approach, DAA)による手術を行っています。この手術法の特徴は、術後の回復が早く(最近の平均入院期間は17日)、脱臼率が低いことです。


病気の原因

この手術が必要となる主な病気として、変形性股関節症関節リウマチがあります。

変形性股関節症は元々股関節脱臼臼蓋形成不全大腿骨頭に対する骨盤の骨のかぶさりが少ないこと)などの骨の形態の異常によって年をとるに従って関節軟骨が磨り減ってくる病気であり、関節リウマチは股関節の潤滑油に当たる関節液を作っている滑膜が炎症を起こし、軟骨がだんだんと溶けてしまう病気(化学的に関節軟骨が溶けるようなイメージ)です。

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正常
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変形性関節症
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関節リウマチ


股関節の症状

(1)関節に痛みが生じる
痛みの部位は股関節近くだけでなく、大腿部、膝付近などに感じる場合もあります。

まず立ったり座ったりや階段の昇り降りの時に痛みを生じることから始まり(第1段階)、次に平 らなところを歩いている時にも痛むようになり(第2段階)、もっと悪化するとじっとしているときや夜寝ているときにも痛むようになります(第3段階=末期症状)。

(2)動きが悪くなる
曲がらなくなる(和式トイレが困る、靴下が履けない、など) 脚が開かなくなる(排尿時に大腿部内側が濡れるなど)

(3) 跛行
痛み、筋力低下、下肢長短縮などによる


治療

いずれの病気でも、まず手術をしない治療(内服薬、湿布などの外用薬,リハビリなど)を行います。しかしこれらの治療で改善せず、関節軟骨がかなりなくなって骨同士で擦れ合うぐらいに関節が痛んでしまい、かつ強い痛みを伴う場合、痛みをとる目的で行う治療が人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty, THA)です。


手術によるメリット
痛みがほとんど取れる
動く範囲が維持されるか多少良くなることが多い(開く動きが良くなることが多い)
手術によるデメリット
手術創周囲の違和感が残る
重いものを持つ、農作業をするなどの重労働を控える必要がある

手術方法

股関節前外側を7~12センチ切開します(以前ほかの手術を受けているなど皮膚の状態によって多少変わる場合があります)。擦り減ったり溶けたりした骨盤、 大腿骨の軟骨を切除し、骨盤側は金属製の部品に高分子ポリエチレンを乗せたものを、また大腿骨側は金属製の部品を設置し、この2つの部品をはめ込みます。

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後療法(リハビリテーション)

手術の前からリハビリを始めます。手術前は現在の状態の評価、筋力増強訓練、術直後の運動指導、などを行います。手術後は主に以下の運動を中心にリハビリが進みます。

(1)筋力をつける練習
膝を伸ばしたまま下肢全体を持ち上げる練習(SLR),膝に力を入れて伸ばす練習などがあります。筋力がないと力が入らず歩けないので、手術翌日からでも練習を始めます。

(2)関節を動かす練習

(3)生活動作練習

歩行が上手になってくるにつれて階段、床からの立ち上がりなどの自宅で生活するための練習が加わります。
大まかな日程としては、手術翌日から歩行器での歩行練習、2日目からリハビリ室へ行って歩行練習、1~2週で一本杖を使っての歩行、となり、手術後約2~3週で退院となります。

退院後の注意

通常の生活や旅行などは差し支えありませんが、かなり負担のかかることは人工関節部品の磨り減りや緩みにつながります。農作業をする、重いものを持つなどの重労働は控えたり、体重が増えたりしないように注意しましょう。また人工関節がいたんでくる場合(15年間で約1割に入れ替え手術が必要になる)は痛みを伴うことが多いのですが、痛みを伴わない場合もあるので、少なくとも年に1回は定期的に受診し、人工関節の定期点検を受けましょう。


よくある質問

  質問 回答
1 膝関節や股関節が痛むのはなぜ?
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関節の軟骨がすり減るにつれて、むき出しになった骨同士が直接こすれ合うようになり、こうした状態が一般的に関節炎に伴う痛みや不快感、硬直を引き起こします。
2 膝にたまる水は抜くと癖になりますか?
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水を抜いて癖になることはありません。もともと関節液と呼ばれる少量の水が膝関節には存在します。しかし、膝が炎症を起こすと関節液の量が増える為、膝に水が溜まって痛みを感じることがあるのです。注射で余分な関節液を抜くことで痛みの軽減が期待できます。水を抜いたから癖になって溜まるのではなく、抜いても炎症が治まらない場合はまた溜まります。
3 膝に注射をしてもよくならないのですが…
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変形性膝関節症やリウマチの場合には、ヒアルロン酸の関節内注射が有効ですが、症状が進行している場合は効果がみられないこともありますので、専門医に相談しましょう。
4 人工関節置換術にかかる金額を教えてください。
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人工関節置換術は健康保険の適用です。かかった医療費のうち、医療費制度で定める窓口負担割合に応じて1割から3割が自己負担となります。また、病院や薬局の窓口で支払った額のうち、一定の金額を超えた分が支給される高額療養費制度があります。
詳しくはこちら → いくらかかるの?気になる費用について
5 人工膝関節置換術とは?
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人工膝関節置換術とはすり減った軟骨と痛んだ骨の表面部分を切除して、金属やプラスチックでできた人工の関節に置き換える手術です。
人工膝関節は金属製の大腿骨コンポーネント、脛骨コンポーネント、およびプラスチックのベアリングで構成されています。痛みの原因である損傷した軟骨が人工物に置き換えられて痛みがなくなることで、日常の動作が楽になることが期待できます。また、人工膝関節には、膝の片側のみ置換する部分置換型、両側を置換する全置換型があります。部分置換型は全置換型に比べてとても小さい人工関節ですので骨を削る量や手術の傷もより小さく、より早期の回復が期待できます。どちらを選択するかは、関節炎(変形)の度合いや日頃の活動状況などによって判断します。
6 人工股関節置換術とは?
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人工関節置換術とはすり減った軟骨と痛んだ骨を切除して金属やプラスチックでできた人工の関節に置き換える手術です。人工股関節は金属のカップ、人工骨頭、ステムからできており、カップの内側には軟骨の代わりとなるプラスチックのライナーがはまるようになっています。人工骨頭がライナーにはまることで、滑らかな股関節の動きが再現できます。痛みの原因である損傷した軟骨が人工物に置き換えられて痛みがなくなることで、日常の動作が楽になることが期待できます。
7 輸血は必要ですか?
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手術で一定量の出血が予想される場合、あらかじめ自分の血液を採血しておいて、必要な場合(手術中や手術後)に輸血する方法があり、これを自己輸血といいます。自己輸血をする場合、担当医師や看護師が詳しい説明と採血の段取りをします。
8 人工関節はどれくらいもつのですか?
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人工関節は、手術後の結果も非常に安定しており、手術から15年たった後も96%以上の人工関節がよく機能しています。人工関節の耐用年数には、手術後の活動や体重などが影響する場合がありますので、担当医師とよく話し合ってください。
9 人工関節が機能しなくなった場合、また入れ替えができるのですか?
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人工関節が機能しなくなる原因は、プラスチックがすり減ったり、骨と人工関節の間にガタが来て緩んでしまうなどです。その場合、もう一度新しい人工関節に入れ替えることが可能です。
10 海外旅行を予定しています。人工関節は空港にある金属探知機に反応しますか?
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はい。患者さんの体内に入っている人工関節に金属探知機が反応してアラームが鳴る場合があります。当院では患者さんが人工関節置換術を受けたことを説明するための証明書カードをお渡ししています。歯科治療や皮膚の切開をともなう治療を受ける場合にも、事前に歯科医師や医師に証明書カードを見せておくと、よりスムーズに治療が進むでしょう。退院後は、証明書カードを常に財布などに携帯しておくと便利です。 100383_01.png
11 人工関節には感染症の危険性が存在するとのことですが、実際に感染した場合どのような自覚症状が現れるのでしょうか?
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非常にまれですが、手術中や手術後に感染が起こる可能性があります。感染症の主な兆候は以下のとおりです。
・関節の腫れ、赤み、熱感が増してきた場合
・関節の痛みが増してきた場合
・38度以上の熱
兆候が見られたら、すぐに担当医師に連絡しましょう。
12 手術とその後の回復のために、どのように備えればよいのでしょうか?
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適切な準備と、患者さん自身の回復への意欲が人工関節置換術後、早期に回復できる近道です。担当医師・理学療法士は、手術前から運動指導を行いますが、これは手術後のスムーズな回復のためにとても大切です。また、担当医師から栄養や体重管理などについての指導があればこれを守り、手術までにできる限りの体調を整えておきましょう。担当医師・理学療法士は患者さんの手術が最善の結果となるために必要な指導を行います。
13 自宅に戻ってから理学療法(リハビリテーション)に通院する必要がありますか?
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通常は毎日理学療法(リハビリテーション)に通う必要がなくなったと判断する時点で退院となりますので、通院する必要はありません(まれに可動域が悪い場合などに通院を指示することがあります)。また、ご自分で理学療法士から指示された運動をご自宅でも続けることは、関節を長持ちさせるためにとても大切です。
14 一人暮らしの為、家族の支援がありません。
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一人暮らしでご自宅での生活に家族の支援がうけられない場合は、入院期間を延長したり、転院などして病院で理学療法(リハビリテーション)を続けることもできます。担当医師にご相談ください。
15 手術後は、どれくらいの頻度で担当医師の診察を受けるのですか?
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手術後は経過観測のために、また人工関節を長持ちさせるために定期的な受診が必要です。最初の受診は、退院後2~3週間後です。その後は、担当医師の指示に従って、はじめの1年は数回、2年目以降は年に1~2回受診します。
16 正座をしてもよいのでしょうか?
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人工膝関節の場合:
正座は推奨していません。 人工股関節の場合:
可能ですが、股関節をねじらないよう担当医師や理学療法士の指示に従ってください。
17 手術後は自転車に乗ってもよいですか?
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人工膝関節の場合:
かまいませんが、転ばないようにサドルを低くするなどの工夫は必要です。
人工股関節の場合:
かまいませんが、乗り降りの際に手術した股関節をねじらないようにしましょう。また、転倒にも気をつけてください。
18 仕事に復帰できるのはいつ頃ですか?
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通常、少なくとも手術後1カ月は仕事を休むよう薦めています。
椅子に座って行う仕事の場合、比較的早期に回復できる可能性があります。仕事への復帰時期は患者さんご自身の回復への意欲がかなり大きな決定要因となります。
19 回復後はどのような運動やレクリエーション活動に参加できますか?
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担当医師が許可する刺激の少ない活動、例えばゴルフ、グラウンドゴルフ、ゲートボール、ハイキング、水泳、およびガーデニングなどをすることができます。また手術の2~3カ月後には旅行やデパートなどでのショッピングも可能になるでしょう。可能な活動については担当医師の指示に従ってください。

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