放射線技術科

核医学(RI)検査

【回転2検出器型ガンマカメラ】

SIEMENS:Symbia E

放射線を微量に放出する薬剤を注射などによって体の中に入れ、臓器や病変部に集まっている様子を専用の機器を用いて画像化します。撮影部位によって画像化する方法は様々で、寝台が動きながら撮影する方法(WholeBody)や検出器が体の周りを回りながら撮像する方法(SPECT)などがあります。他の検査よりも検査時間は多少長くかかりますが病気の診断や予後の確認、治療効果の判定などに役立つ情報として画像提供しています。

検査の特徴

CTやMRIなどのように検査する臓器や組織の断層像(輪切り画像)として画像化して形状を見たり、他の検査では得ることが難しい臓器の血流や代謝などの働きもわかります。また多くの場合は静脈から薬剤を投与し、その後装置の寝台で20分~60分程仰向けで検査を行います。また検査部位や使う薬剤の違いによっては、投与後数時間後や数日後に撮像を行う場合もあります。

検査の注意事項

体内に投与された薬剤から放出される放射線はごく微量であり、時間とともに放射線量も減少しおしっこや便などで体外に排出されますのでご安心ください。但し、胎児や乳幼児には影響を及ぼす場合がありますので妊娠の可能性のある方や授乳中の方は事前にスタッフに申し出てください。

検査の紹介(脳血流シンチグラフィ)

脳の中の血液の流れの状態を調べる検査です。動脈硬化が進むと脳に血液を送る血管が狭くなったり詰まってしまうことがあります。その際のめまいやふらつき、手足のしびれなどの見過ごしてしまいがちな症状が実は脳梗塞の前ぶれだったということがあります。脳血流シンチグラフィ検査では他の検査では発見が難しい「脳梗塞になる前の脳血流の減少」がわかります。

  • 図1;頭部CT画像

  • 図2;頭部MRI画像

  • 図3;脳血流SPECT画像

図1、2のCT、MRIの画像には特に左右差はありませんが、図3の脳血流シンチグラフィのSPECT像では右脳の血流低下がわかります。(赤に近い方が血流が多く、青に近い方が血流が少なくなっています)

検査の紹介(心筋血流シンチグラフィ)

心臓の筋肉に流れる血流を見る検査です。心臓の血管が狭くなっている場合、普段(安静時)は血流がしっかり流れているが、運動などをして心臓に負荷がかかったときに血が行き渡りにくくなり虚血を起こす場合があります。この検査は心臓の筋肉に栄養や酸素を運ぶ役目をしている血管に異常のある病気(冠動脈疾患)がないか、また心臓の筋肉に栄養がいきわたってしっかり動いているかを調べることができます。

  • 図1:SPECT画像

  • 図2:QPS解析画像

  • 図3:QGS解析動画

図1、2は上段が運動負荷後の、下段が安静時の画像です。印の付いた部分が運動した直後には虚血状態になっていて普段の状態では血流が戻っています。こういった状態の場合心臓の血管が狭くなっている可能性が高いです。図3は心臓の左室の動きを見ることができます。

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