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男性不妊症外来
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男性不妊症外来

1. 子宝に恵まれないご夫婦へのご案内

 たとえば、あるご夫婦が、結婚後2年たっても子宝に恵まれないという場合。こういう場合、このご夫婦には、子宝に恵まれないということ以外には、なにも症状がない場合が多いので、本当に医療機関に行く必要があるのか、いったいどういうタイミングで医療機関に相談したらよいのか、あるいは、相談するとすれば、どこへ相談すればよいのか、などわからないことばかりだと思います。ここでは、まず、それらについて、お話してみます。

  まず、統計的なお話をしますと、妊娠を望むカップルの中には、だいたい8から10組のうち1組の割合で、1年以上妊娠の見られないカップルが存在すると言われています。
  つまり、言い換えてみると、だいたい、普通に夫婦生活を送っているご夫婦では、1年以内には90%くらいが妊娠に至ることになります。妊娠に至らなかった残り10%のご夫婦の中には、妊娠しても不思議はないのに、たまたま妊娠が来なかっただけという場合も当然少数含まれていますが、ご夫婦どちらかになんらかの異常があって、子宝に恵まれなかった、という確率がかなり高くなるようです。
  これが、相談者の方のように、結婚から2年経過している、となると、たまたま妊娠が来なかっただけ、というご夫婦はますます少なくなるので、なんらかの異常がご夫婦どちらか、あるいは両方にあると考えるのが妥当と思われます。

  では、医療機関を受診しようとなった場合に、どういう医療機関を受診するのがよいか。ご存知のように、ご夫婦の間に妊娠が起きる、ということは、奥さんの持っている卵子とご主人の持っている精子が出会って受精、着床などの過程をたどる必要があります。
  つまり、奥さん側に、卵子やその周辺の環境の異常があっても不妊になり、ご主人側に、精子やそれを取り巻く環境の異常があっても不妊につながる可能性があるわけです。

   男女どちらに不妊の原因があったかを、統計でみると、図1に示すように、男性側に原因があるものが、約4分の1、男女両方に原因があったものが、約4分の1であり、合わせると、男性側に原因があった場合は不妊カップルの約半分といわれています。


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  多くの、相談してみようというご夫婦では、ご夫婦どちらに異常があるのかわからないので、ご夫婦とも医療機関を受診して、それぞれの検査をしてもらうのがよいと思います。
  その場合、富山県においては、奥さんは病院・医院の産婦人科を受診していただくのが良いと思います。また、産婦人科の中には、治療を進める必要上、ご主人の精子の検査をしてくれるところもありますので、ご夫婦いっしょに産婦人科を受診されてアドバイスをうけるというのもよい手段と思われます。

  一方、ご主人が受診できるところとしては、先ほどの産婦人科のほかには、当科のような病院・医院の泌尿器科があります。泌尿器科は、主におしっこの通り道の病気のほかに、男性不妊を含む男性の性器疾患を専門に取り扱っているところです。 ※(A)参照
  また、富山県では、不妊に関する相談窓口である富山県不妊専門相談センターを開設していますので、ここで相談してみてもよいでしょう。※(B)参照

(A) 済生会富山病院泌尿器科 男性不妊外来
TEL.076-437-1111(代)
毎週水曜日 午後13:30~15:30 予約不要
(水曜日の午前8:30~11:00、
月・金曜日の午前 8:30~11:00の外来も受診可能です)

  (B)  富山県不妊専門相談センター 相談窓口
TEL.076-482-3003(代)
電話相談(1回30分まで)
 火・木・土曜日  9:00~13:00
 水・金曜日   14:00~18:00
面接相談(1回50分まで 要予約)
   水・金曜日    9:00~13:00
 火・木・土曜日 14:00~18:00


2. 男性不妊症とは

 ご主人に原因があって不妊につながっていると思われるものを男性不妊症と呼びます。男性不妊症の原因の主な内訳をみると、下記の(C)のようなものがあります。中には生まれつきのものなど予防のしようもないものも含まれています。

  (C)  男性不妊症の主な原因
① 造精機能障害
(精巣やその近くで精子を造る力が低下している状態)
例 おたふくかぜによる精巣炎のあと、精索静脈瘤、染色体異常など

② 精路通過障害
(静止の通り道が詰まるか狭くなっている状態)
 例 幼少時の脱腸の手術後の癒着など
     
③ 性機能障害
(性行為が上手くいかないとか精射ができないといった状態)
 
   ご主人が泌尿器科を受診されると、まずは、問診、つまりお話を聞かれることから始まります。問診では、現在までの夫婦生活の状況や、過去に、あるいは現在、不妊につながる病気や薬物の服用などがなかったかどうかについて、詳しくお話を聞かれます。そして次に、身体の診察が行われます。ここでは、精巣をはじめとする臓器の視診(外観を見ること)や触診(触ってみて異常がないかどうかを見ること)で、不妊につながる異常がないかどうかを見られます。

 続いて、通常は精液の検査が行われます。精液の検査では、精液の量、精子の濃度、精子の運動率、精子のかたち、そして精液にばい菌がついていないかなどが調べられます。精液の検査は、その結果が、同じ人でも検査のたびにかなりばらつくので、検査前の射精しない期間を少なくとも2日以上とるなどの注意をした上で、検査を2回以上してから判定されることが普通です。※(D)参照 
 精液の検査で異常が見つかった場合は、さらに、不妊に関わる血液検査や超音波検査、あるいは、染色体の検査などが行われます。


(D)精液検査で見つかる異常の代表的なもの 
乏精子症・・・精子が少ない
無精子症・・・精子がいない
精子無力症・・運動性の弱い精子が多い
奇形精子症・・形の悪い精子が多い
膿精液症・・・精液中に膿(白血球が多い)
 
   男性不妊症と診断されると、その原因に応じた治療が計画されます。先ほど述べた造精機能障害の場合には、原因がわかれば、原因を取り除く治療や、お薬による治療などが行われます。精路通過障害の場合には、詰まったり欠損したりしている精液の通り道を再建する手術や、詰まっている部分より上流の精巣側から精子を取り出して、女性の卵子との間で体外受精・胚移植を行ったりします。このほか、性機能障害(性行為がうまくいかないとか射精ができないといった状態)が男性の不妊の原因の約20%を占めているともいわれており、こういう悩みをお持ちの方は、ぜひ泌尿器科を訪ねていただきたいと思います。

 現在、日本では、晩婚化が進んでおり、また若くてもセックスレスの夫婦が増えていると言われています。さらに、日本人男性の精子数が外国の男性に比べて少ないというショッキングな報告もありました。男性不妊症の予防には、睡眠を十分にとったりするなど規則正しい生活を送る、仕事上のストレスをうまく発散する、暴飲暴食や喫煙を避けて運動不足を解消する、そしてご夫婦の関係を円満に保つことなどが、ぜひ必要と思われます。

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